私の俺節

 

俺節初観劇から一週間以上が経ち、大阪公演を来週に控えてるにも関わらず、見事に俺節ロスになっております。

前回ネタバレなしで書いたのですが、これからネタバレ含めて俺節の感想を書かせていただきたいと思います。感想というか、半分くらい説明みたいになってます。笑

 

 

 

 

 

雪の降りしきる津軽から上京する直前、ばっちゃんがなけなしのお金で買った大きな背広をコージに渡すところから舞台は始まる。ポスターにも書いてあった「世の中とっくり返してやる」的なことをコージが言い、舞台タイトル「俺節」が映し出された。大事なところなのにセリフが曖昧で申し訳ない。何故ならここで私は毎回泣いていたから。この瞬間から「安田章大じゃない、海鹿耕治だ」と思うしかなかった。やっぱり憑依型だ。

 

 

上京したコージは演歌の大御所 北野波平へ弟子入りを申し出るが、うまく歌えずに終わってしまう。歌えずに照れてしまうコージが可愛い。コージの歌への情熱を気に入ったオキナワは、コージを連れてみれん横丁へ。みれん横丁は様々なひとと出会う場所であり、コージにとっての大切な場所になっていく。みれん横丁の人々は本当に暖かい。

 

 

そして、そんなみれん横丁でヤクザの元にあるストリップ劇場から逃げ出してきたテレサを助けるためにヤクザ立ち向かうコージ。やめときゃいいのに、ばっちゃんの背広を汚されたことに怒り、さらにヤクザに向かって行っていき、やはりボコボコに。明らかに痩せた安田章大を見ていたし、腰をひどく痛めてることも噂されているので、ヤクザに「もうやめて!」と飛んで入ってやりたい気持ちにもなった。散々やられた後に「次は俺の武器で勝負だ」とコージは演歌を歌い上げる。それが本当に凄い(語彙力)。コージに合わせてみれん横丁のみんなも加勢するところは圧巻。演歌を聴いて涙が流れたのは初めてだった。

一番を歌い終わったところで力尽きて倒れるコージ。このシーンはよく覚えておいてほしい。万が一忘れてもオキナワと北野波平が思い出させてくれるので問題はない。

 

 

それからみれん横丁の仲間と一緒に過ごしてくのだけれど、作業服を着てヘルメットをかぶったコージがとにかく可愛い。

コージ×ヘルメット=可愛い

コージ×ヘルメット×抱える=たまらん可愛い

こちらは是非オペラグラスを用いて観てほしい。

 

みれん横丁で流しの大野に出会い、弟子になるコージとオキナワ。そして流しとして練習をしているところに現れた北野波平が「歌とは何か」を熱く語る、とても大切な場面である。こう考えると伏線多いな、俺節

流しの大野が「おふくろさん」を歌うシーンがある。安田章大は森進一のモノマネを異常に気に入っているので、少しだけ心配だったが、海鹿耕治にはモノマネスキルがなかったようなので安心した。

 

 

合間合間にコージとテレサのいちゃいちゃがあるのだけれど、なんとも初々しいいちゃいちゃなので、見てるこっちも「んもうっ!」ってなる可愛さである。この二人になるとアドリブもあるので、それがまた可愛いので見逃さないように。この二人に限らず、俺節はアドリブがとても面白く、要所要所で放り込んでくる。それによって、物語に緩急がついて心地よく感じた。

 

 

 

色々あって、コージとオキナワは別々に。そしてコージは元アイドル寺泊郁恵とのデュエットで地方向けCMソングタイアップ曲でデビューとなる。つまり、華々しく恵まれたデビューではないのだ。そんな場面が関ジャニ∞のデビュー当時を彷彿とさせ、うるうるしてしまった。それでもめげず、立ち向かうコージの強さは、どこか安田章大の真っ直ぐさにも似ていたように見えた。

 

 

そしてコージとテレサの大切な場面=ラブシーンがくる。自担のラブシーンを生で観るのは初めてなので、何ひとつ見逃さないようにしっかりピントを合わせてオペラグラスを構えた。

薄暗い部屋と雨の音がやたらと色気を感じさせ、同時にたまらなく切ない空気であった。テレサはコージに「なぜ私を抱かないの?」と問いかける。コージはテレサの過去の仕事のことが浮んでしまい、抱くことができなかった。コージが「自分のち  んぽが情けねえ」と自分の股間を殴りつける。ワード的には面白いので周りからはクスクスと笑い声が聞こえたが、私はここのシーンがたまらなく切なく、せっかく合わせたピントも溢れ出る涙でぼやけてしまった。そして「過去も未来も全部抱く」と。コージかっけえよ…私も抱いてくれねぇべか。

翌日、テレサもアパートを出て行く。コージの夢を邪魔しないようにと…。なんて切ないんだ俺節。みんな生き方が不器用すぎやしませんか。そしてここでテレサがコージにネックレスを渡すのだが、ある公演でネックレスを渡し忘れていた。おそらくミスなんだろうけど、コージの手元にテレサのものが何も残らなかったことがやたらと切なかった。布団を握りしめて泣きながら「引越しをするなら教えてよ」を歌う姿は切なすぎた。私はこの歌が好きすぎる。

 

 

 

オキナワもテレサも失ったコージは、津軽弁もばっちゃんの背広も取っ払い、デビューに向けて奮闘する。が、それもうまくいかない。歌さえも失ったコージはみれん横丁へ帰っていく。もがいて、あがいて、必死なところは心臓を揺さぶられるような感覚で、コージの感情が自分にも乗り移ったかのように涙腺に響いて仕方なかった。

 

 

一方 オキナワは北野波平の部屋で歌を作る。(どうでもいい情報だけれど、ここまでで私は完全にオキナワに恋をしてしまっている。)そして、オキナワの作曲の能力を見出した北野波平が演歌を一曲歌い上げて倒れる。そう、初めてみれん横丁で歌を歌った時のコージに似ているのだ。オキナワがコージを思い出すところで、二人の絆の強さを感じ、また泣いた。

 

 

みれん横丁に帰ってきたコージは、流しの大野、北野波平、そしてオキナワと再会する。そして、オキナワは自分が作った歌をコージへ託す。しかし、コージは「自分さえ重荷なのに、人の思いを抱えきれない」とオキナワを突き放す。コージ、泣かせてくれるよ。この辺りからラストシーンまで、客席からはぐすぐすと鼻をすする音が止まらなくなる。お気付きかとは思うけれど、私はずっと泣いている。

 

 

ラストシーン。

アイドルグループの前座を任されたコージは主催者からもひどい扱いをうけ、アイドルファンのブーイングを浴びながら歌うが、強制終了。泣ける。そこへオキナワと強制送還前のテレサが現れ「コージ歌え」と。泣ける。言葉にならない思いを伝え合うコージとテレサ。泣ける。

そしてオキナワが作った「俺の俺節」を歌う。歌詞がたまらない。大雨が降り出し、アイドルファンからのブーイングは止まらない。しかし、コージは歌うのをやめない。大雨に打たれながら、涙を流しながら、コージは歌った。もう圧巻だった。私は嗚咽が漏れそうになるほどに泣いた。

 

 

コージとオキナワがみれん横丁に帰り、みれん横丁の仲間にあたたかく迎えられるところでこの舞台は終わる。とてもほっこりする終わり方だった。

会場からは拍手が鳴り止まらなくて、自分の拍手もどうか俺節カンパニーの皆さんに届きますようにと力を込めた。幕が上がる時に出演者がみんなで幕を押し上げるような動作をしたときには、わあっと会場が沸き、舞台のみなさんの関係の良さを感じるカーテンコールだった。そして「みれん横丁のテーマ」に合わせてみんなで歌ったりすることもあった。自分もみれん横丁の一員になれたような、そんな気分になった。

 

 

 

 

6月8日ソワレにてラストシーンの雨の演出により、スタンドマイクが壊れた。突然ボツボツという雑音が鳴り、ギターのマイクもコージのマイクも音を拾わなくなった。伴奏で流れる音とギターの音がズレてしまうところを、コージは必死で立て直した。ほとんど生声だった。二階の奥まで届くようにと精一杯コージは歌っていた。実際の機材トラブルが妙にリアルで、コージの歌が真っ直ぐ心に響いた。もちろん泣くよね。

 

安田章大はレンジャーで東京千秋楽前に「もっと見てほしかった」と言っていた。まだ終わってもいないのに。どこか納得がいかなかったのだろう。常に悔しさがあるから、きっともっと強くなっていくのだろう。黙ってついて行くよ。

 

 

 

正直、そろそろ安田章大に戻ってきてほしい気持ちもある。痩せすぎていて心配だし、新曲のダンスも珍しく間違えまくっているところで、海鹿耕治が抜けきれていないところが垣間見えたりする。でも、覚悟を決めて俺節の舞台に立っている姿を見て、この人について行こうと決めたのだから、最後まで海鹿耕治を支えるひとりでありたいと思う。そして、安田章大に戻ってきても、また彼を支えるひとりでありたい。

 

俺節に出会えて本当によかった。またコージに会える日を楽しみに、私も一生懸命に毎日を生きます。

へばぁ。