佐々部悟というお坊ちゃん刑事

安田くんが黒髪になったので、何かお芝居のお仕事なんじゃないかなと思いまして、スキャナーの刑事役が決まった9月2日を思い出しました。

「はやドキ!▽安田章大」という情報だけで、なるなる3やら橋田壽賀子に怯えるTLが最高に面白かったけど、まあまあな恐怖だった。本当に朝4時まで起きていようかと思ったところに、警察手帳を見せつける佐々部悟が載っている朝刊の写真がTLに現れ、それのせいで結局眠れなくなった。

それから半年以上経って、もう映画は公開終了してしまったので、わたしの佐々部悟に残る思念を語らせて欲しい。要はネタバレです。

 

 

 

 

正直わたしは映画を見る前にネタバレを踏んでしまった。まず、舞台挨拶にやたら登壇することに対して、とても重要な役なのか、それともジャニーズを利用した単なる客寄せかなと考えていた。結果として前者(寄りの両者)だった。

物語の結末ではないけれど、安田担が結構重要視しているであろう脛毛を「必死に剃っていた」という情報から「あー、なるほどね」と。キャンジャニ期とうまいこと合わせてあったから当時は気づかなかったけれど、犯人まで簡単に繋がってしまった。

そして、謎の白い女が出てきた瞬間にそれが彼だと分かってしまった。何年安田担やってると思うんだ、シルエットで分かるよ。

それでもまあ実際、中盤で一度騙されたし、「思念の持ち主が違っていた」瞬間は心臓が止まるかと思う程に佐々部に恐怖を感じた。安田くんは若きエリート刑事佐々部悟をしっかり演じながら、深い闇から抜け出せずに間違った道を歩んでしまう佐々部悟も演じていた。本当に切ない結末だった。

 

あらすじは映画のホームページで見ていただきたいのだけれど、映画に登場した安田くんは警視庁で働く若い刑事の佐々部悟だった。事件を解決しよう真面目に向き合っていたし、肩書き通りのエリート刑事だった。スキャナーは計3回見たけれど、何度見ても亜美から送られてきた白い女の絵と情報を読んだときどんな思いだったのか、あの佐々部の表情では読み取れなかった。あのシーンではエリート佐々部だったから。

マイティーズの二人が事件を追ってる最中、海に落ちてしまうシーンがあり、入院した病院に佐々部が訪れる。「無事でしたか」という佐々部の台詞は、結末を知ってから聞くとゾッとするものがあった。

それからまあ色々あって、佐々部は野村萬斎さん演じる仙石さんと協力して謎の白い女(エリカ)を探すんだけど、その時も佐々部だった。事件を解決するために必死に捜査する佐々部に見えた。

エリカの情報が明らかになっていく間も、恨みに満ちた顔は見せなかった。自分が生まれ育った家で、強い思念が残る場所に居たにも関わらず、佐々部のままだった。

だから、ネタバレ踏んでいたにも関わらず、「なんだよ真犯人は伊藤忍じゃん。安田くん犯人と思わせといて、こっちか。じゃあ安田くんって事件を解決するすごい刑事なのかな。ふぅ!カッコいい!」くらいに思っていた。

そして、そこから混乱アンド号泣。

 

峠のシーン。仙石さんと雪絵さんのところは毎回泣いた。あまりにも切なすぎた。私は友達が笑っちゃうくらい泣いてたらしい。だって、本当に切なくて。

亡くなった雪絵さんを担いでいる謎の白い女(エリカ)がカーブミラーに映ったときの肩幅、ハンカチで汗を拭く時に見えた左頬のほくろ、それはもう明らかに安田章大だった。それと同時に内臓がフワッとする感覚になった。本当に佐々部が怖かった。

 

妹を守りたかったお兄ちゃんは、妹を死に追いやった4人の見知らぬ子どもたちが憎かった。妹の死によって、両親から酷い扱いを受けて苦しかった。愛されたかった。唯一自分のことを好きでいてくれた妹が死んでしまったのは、あの子どもたちのせいだ。妹と遊んでくれるって約束したのに。約束を破って、そのせいで妹は死んだ。あの子どもたちのせいだ。約束さえ守ってくれたら、妹は死ななかったのに。妹が死ななければ、こんなに辛い思いはしなかったのに。

そうだとしても、佐々部のやり方は間違っていたし、なんとも残虐な殺し方だった。怖かった。安田くんって大きなぱっちり二重が可愛いって言われてるけど、可愛さなんて全くない。あの大好きな目が、エリカのものになっていて、本当に怖かった。人を殺すときってこんな目をするのかって思って、怖かった。このシーンを見ている時、気付いたら自分の手に爪の跡が付くくらい力が入ってた。何度も言うけど、怖かった。ちなみに「邪魔すんなっ…」は怖いけどカッコよかった。

そんな大事なシーンだけど、ちょこちょこ安田くんの脛毛への思念がちらついてしまったことは黙っておく。(あんまり見えてなかったし正直剃らなくてもよかったんじゃないかな) 

そして安田くん絶対DV男になる…って思ってしまうくらいに丸山(宮迫さん)を本気で蹴っていた。亜美に迫るシーンは怖さと気味の悪さが凄かった。普段あんな可愛い顔してるくせに、本当に怖い。

 

そこから次々に明かされていく佐々部の思いは計り知れないものだったし、雪絵を殺されて悲しい思いをしたはずの仙石さんが佐々部の気持ちに寄り添っていくシーンは苦しかった。仙石さんって優しい人だ。

そして佐々部も。妹への優しさが形を変えてしまったんだと思う。

 

 

そしてラスト。あの大きな目からとめどなく流れる涙が凄かった。さっきまで人を殺そうとしていたのに、表情がまるで変わっていた。自分が雪絵たちにしたこと、信頼できる上司を裏切ってしまったこと、愛する妹への思い、救いようのない切なさで溢れてしまっていた。

上司である野田主任(風間さん)が「お坊ちゃん」ではなく「佐々部」と呼んだことに気づいて、お互いの信頼関係の強さに泣いたのは3回目だった。

 

 

佐々部が自分で命を絶つ瞬間、「お疲れ様」と思った。まずは佐々部に対して、たくさん苦しかったね。お疲れ様。

そしてリサイタルや元気CD、PV撮影など本当に多忙な中、こんな重要なシーンに向き合っていた安田くんに対して。お疲れ様でした。あの日くれた天使のような笑顔の裏でこんな重い気持ちを抱えた佐々部を演じていたなんて。本当にお疲れ様でした。

 

 

佐々部が死んだあとのシーン。冒頭では様々な思念を読み取りすぎたせいで「人間は醜い」と人と関わるのを拒絶していた仙石さんが、亡くなった雪絵の思念と向き合いながら「人間は美しい」と言う。安田くんも「映画の一番最後の台詞が好きです」と言っていたので、注目していたのもあるけど。とても綺麗な終わり方だなと思った。

 

 

 

ばしゃ馬さんのときは新社会人になったばかりで必死だったから映画館には行ってないし(ごめんなさい)、ジュリエット通りだってそこまで重要視してなかった(チケット取れなかった)。

だけど、今回スキャナーに必死になってよかった。何度も見てよかったと思える映画だった。

スキャナーの続編を期待する声もありますが、残念ながら佐々部は死んでしまったのたので、できれば次は死なない役を与えてください。

数ヶ月前に小早川くんが亡くなっていたので、立て続けに自担が演じる人が亡くなるのは結構きついものがある。しばらくはアメトーク見ても公文式ニベアのCMを見ても佐々部を思い出すくらい引きずっていた。

 

だから、安田くんお願いします、いつかアイドルでなくなっても、どうかおじいちゃんになるまで死なないでね。そして、脛毛はできるだけ大切にしてね。